材料のバラつきによる板金加工の手間を削減するポイント

板金加工をする中で、材料の仕入先や生産ロットの違いにより材料ばらつきが存在し、曲げ工程においては角度補正の手間が都度発生しているというケースがあります。同じステンレス、アルミといった材料であっても、仕入れた材料のロットによって曲げ加工を調整する必要があります。

 

実際、プレスブレーキを使用している板金加工業では、熟練の職人が材料の違いを感覚で調整して材料のバラつきが製品不良にならないようにしていますが、そういった板金加工をできる職人が減ってきているという現状が業界全体で起こっています。

 

 

 

「プレスブレーキは材料のバラつきから角度を調整し、曲げ工程に手間をかけて歩留まりを抑えられるが、パネルベンダーでは難しいのではないか?」といったお声もよくいただきます。
また、「材料のバラつきで発生する曲げ工程の労力は仕方ない」、「材料によって板金加工を調整できる職人がなかなか育たない」と諦めがちですが、この属人化した曲げ加工の手間を削減することができます。

実は、パネルベンダーには「ロットによる材料ばらつきに対する角度自動補正機能」が搭載された機種があり、職人に依存した労力を減らすことができるだけでなく、属人的になりがちな「材料のバラつきを感覚で調整する板金加工」を自動化することができます。

折り曲げ機械を選ぶ際は「角度自動補正機能付きのパネルベンダー」をチェックすることで、熟練の職人でなくても「熟練の職人を超えた板金加工」を自動化することができます。

パネルベンダー.comで紹介しているサルバニーニのパネルベンダーには『MAC2.0』という、ロットによる材料ばらつきに対する角度自動補正機能が標準で搭載されており、自動で曲げを行うだけでなく自動で角度の補正も行います。

 

 

 

同じパネルベンダーであっても、メーカーによっては角度補正機能がついていない機種もあるので選ぶ際は仕様をご確認ください。
この角度自動補正機能『MAC2.0』の原理は、製品ごとの最初の一曲げにおける曲げ刃にかかる負荷(抗張力)を計測し、機械に登録されている加工対象材料の抗張力から±5%以上の差異が検出された場合に、自動で曲げ刃の押し込み量を調整し角度を補正します。

これまで熟練の職人が感覚で自然と行っていた曲げ加工の調整を板金機械であるパネルベンダーが自動で補正することにより、若手であってもベテランの品質で曲げ加工を行うことができます。

 

 

 

 

具体的には、材料の抗張力がピークとなる45°前後を曲げた際に0.3秒かけて対象材料の抗張力を計測します。その際、±5%以上の差異が検出された場合、1.2秒かけて補正値をプログラムに自動で反映させて曲げ刃の最後の押し込み量を決めて曲げを行います。
(計1.5秒 = 計測0.3秒 + 補正1.2秒)
材料の縦目と横目で抗張力も変化しますので、それぞれの最初の一曲げで計測を実施し補正をかけた場合でも計3.0秒と時間を要しません。(補正が必要のない場合は計0.6秒)

 

 

 

つまり、サルバニーニのパネルベンダーは角度自動補正機能『MAC2.0』を標準搭載しているため、材料による微妙なバラつきに影響されず、安定した品質での曲げ加工が可能です。

日本全体で人手不足となっている現在、曲げ工程の自動化や省人化、生産性向上を検討されている板金加工の経営者は「角度自動補正機能付きパネルベンダー」に注目することで材料のバラつきによるお悩みを解消することができます。